
本記事は、転職の専門家であるmotoが、職務経歴書の書き方について解説します。
職務経歴書の書き方で迷ったら、まず「採用担当者が知りたいこと」に合わせて整理しましょう。職務経歴書は、自分の経歴をただ並べる書類ではありません。応募先の仕事で何を任せられそうかを伝えるための書類です。
本記事を監修しているmotoは、転職やキャリアに関する知見を発信し、Forbes JAPANや日経ビジネスなどのメディアに取り上げられています。
私はこれまでに7回の転職を経験し、年収240万円→年収1000万円まで引き上げました。motoのキャリアやこれまでの実績についてはプロフィールページをご覧ください。
著書『転職と副業のかけ算』はAmazon総合ランキングで1位のベストセラーとなっています。
これまでの経験から、職務経歴書の書き方について発信したところ、ツイートへのいいねが8000を超えました。
職務経歴書は「STARS」というフレームワークを使って書くのがおすすめよ。
・Situation :どんな環境で
・Task :どんな任務を持ち
・Action :自分は何を実行して
・Result :結果どうだったのか
・Self-Appraisal :振り返ってどう思うか中でも「Self-Appraisal」をしっかり書くと書類通過率変わるよ。
— moto (@moto_recruit) May 31, 2021
今回は、私が職務経歴書を書く上で見ているポイントと、初心者でも迷わず進められる書き方を解説します。
私が転職活動で使った転職サイトは『【決定版】年収240万→年収1,000万の転職で利用した転職サイト』記事をご覧ください。
目次
職務経歴書とは?履歴書との違い
職務経歴書とは、これまでの仕事内容、実績、スキルを応募先に伝える書類です。履歴書が氏名・学歴・職歴などのプロフィールを確認する書類だとすると、職務経歴書は「入社後にどんな仕事で貢献できるか」を判断してもらうための書類です。
採用担当者は、職務経歴書を見て「任せたい仕事をこなせそうか」「経験に再現性があるか」「面接で詳しく聞きたい点があるか」を見ています。つまり、過去の仕事内容を全部書くより、応募先で評価される経験を選んで書く方が伝わります。
分量はA4で1~2枚程度にまとめるのが目安です。経験が多い方でも、すべてを細かく書くのではなく、応募求人に関係する経験から優先して整理してください。
職務経歴書に書く基本項目
職務経歴書には、決まった様式があるわけではありません。ただし、採用担当者が確認したい項目はある程度決まっています。まずは下記を入れておけば、基本の形になります。
1. タイトル・氏名・提出日
2. 職務要約
3. 職務経歴・職務内容
4. 活かせる経験・スキル
5. 資格・免許
6. 自己PR
職務要約は、これまでの経験を250字前後でまとめると読み手が全体像をつかみやすくなります。職務経歴では、会社名や担当業務だけでなく、役割・成果・工夫した点まで書いてください。
活かせる経験・スキルは、箇条書きで構いません。例えば営業職なら「新規開拓」「既存顧客の深耕」「KPI管理」「メンバー育成」など、応募先の求人要件に近いものを選びます。資格は業務に関係するものを優先し、自己PRでは強みと成果をつなげて書きましょう。
職務経歴書テンプレート(無料)
まずはじめに、下記に職務経歴書のテンプレート(Zip)を用意しているので、ダウンロードしてみてください。無料で利用できます。
職務経歴書の書き方がわからない方は、テンプレートにいきなり書き始めるより、先に求人要件と自分の経験を照らし合わせてください。その上で、下記の書き方を参考にしながら作成すると、内容を絞り込めます。
なお、職務経歴書は手書きでもパソコンでも問題ありません。企業から指定がなければ、修正や応募先ごとの調整がしやすいパソコン・スマホでの作成をおすすめします。
職務経歴書を書く上で意識すべきこと
職務経歴書を書く前に、転職活動の考え方を整理しておきます。
まず、転職活動は「自分という“商品”を企業に売り込む営業活動」です。
これまで積み上げてきた経験やスキルを商品にして「どんなことができるのか」「どう役立つか」「値段はいくらなのか」という“自分の営業”を展開していくのが転職活動の基本です。
「御社のサービスに魅力を感じてー」とか「優秀な人が多いのでー」という「自分が志望企業に入りたい理由」を伝えるより、「自分を雇うことのメリット」を伝えた方が、採用する側は判断しやすくなります。
転職活動も営業も「自分のスゴいところ」を推すのではなく、「相手が求めていることに対して、自分にできること」を伝えるのが基本です。
では、転職活動で「相手のニーズ」を把握し、採用側が知りたい内容に合わせた職務経歴書をつくる方法についてお伝えします。
職務経歴書準備編:「相手のニーズ」を把握する
まずはじめに、相手の採用ニーズを把握します。
相手のニーズは、転職サイトや企業HPの「求人要項」に明確に記載されています。
「仕事内容」「求める人物像」「必要な能力・スキル」が相手のニーズです。例えば、下記のような内容が書かれています。
■必要な能力・スキル
【必須(MUST)】
・販売戦略を立て、3名以上のチームで実行したことがある方
・目標に対しKPIを設定し、定量的に営業目標を管理した経験がある方
・販売方法やチャネルを自ら考え、実績を出した経験のある方
【歓迎(WANT)】
・チームマネジメント経験
・プレイングマネージャー経験
・営業の経験が3年以上あり、ゼロから営業チームの立ち上げを行った経験
これだけでも十分ですが「同じ求人が載っている他の転職サイト」も見ておくのがおすすめです。
僕の経験上、リクナビNEXTやマイナビ転職、Green、エン転職は、各サイトごとに表示される求人項目が異なるので、求人票だけでは見えない「求められる能力やスキル」を知ることができます。
加えて、社長や社員インタビューを読むのも有効です。
「志望企業名 社長名」などで検索すれば出てくるので、「普段どんな仕事をしているのか」と「どんな課題があるか」という部分を意識して読んでください。
検索していると「ネガティブな情報」や「企業を批判する記事」が出てくることもあります。そこにも目を通しておくと、会社が抱えている課題を別の角度から見られます。
その記事で指摘されている「ネガティブな部分」を解決するために自分にできることは何か、この批判の本質的な課題は何か、という視点で読むと、職務経歴書に書くべき経験が見えてきます。
志望企業が「これから何をしようとしているのか」「現時点でどんな課題を抱えているのか」「世の中ではどう言われているのか」を把握しておけば、その課題に対して自分ができることを伝えられます。
さらに踏み込むなら、上場企業や上場企業の子会社であれば、IR(Investor Relations)を見ておくのもおすすめです。
求人は「何らかの課題を解決してくれる人」を求めて出されています。その課題を把握し、「自分が過去に同じような課題を乗り越えた経験」を記載することで、相手が欲しがる経歴に近づいていきます。
それでは、本題の具体的な書き方についてお伝えします。
職務経歴書の書き方4ステップ
職務経歴書を書く上で見ておきたいポイントは4つです。
1. 人材要件から「共通点と類似点」を考える
2. 社内評価ではなく「市場価値」を意識する
3. 自分の「役割」と「成果」を定量的に書く
4. 面接での「ツッコミどころ」を用意しておく
初心者の方は、この4つの順番で整理してください。最初から完璧な文章にしようとせず、求人票に書かれている言葉と自分の経験を照らし合わせるところから始めましょう。
1.人材要件から「共通点と類似点」を考える
上記の求人要項を参考にお伝えすると、まず【必須(MUST)】の部分に注目します。
職務経歴書には【必須(MUST)】に当てはまる「自分の過去経験」を中心に書いていきます。極端に言えば、それ以外の経験は短くまとめても構いません。
また、【歓迎(WANT)】の部分は「欲を言えば、こういう人に来てほしい」という企業の願望的要件です。この要件を満たせれば面接に進める可能性は高まりますが、無理に盛る必要はありません。
まず、【必須(MUST)】の部分には下記の3つが書かれています。
・販売戦略を立て、チームで実行したこと
・目標に対しKPIを設定し、定量的に営業目標を管理した経験
・販売方法やチャネルを自ら考えてPDCAを回し、実績を出した経験
上記とまったく同じ経験があれば、その経験を書けば問題ありません。少し離れた業務の場合は「転職先の仕事で求められる能力と、現職で培った能力の共通点、または活かせる類似点」を見つけて記載してください。
例えば、販売職から営業職へ応募する場合、「接客経験があります」だけでは弱く見えます。顧客の課題を聞き、提案し、売上やリピートにつなげた経験まで書くと、営業職との共通点が伝わります。
2.社内評価ではなく「市場価値」を意識する
職務経歴書では、社内だけで通じる評価よりも、社外の採用担当者が見てもわかる成果に直して書いてください。
「上司から評価された」「社内で頑張った」だけでは、応募先の仕事でどう活かせるかが伝わりません。売上、達成率、対応件数、改善前後の変化、担当人数、期間、費用など、読み手が比較できる情報に変換しましょう。
数字が出しにくい職種でも、工夫はできます。保育士なら担当クラス、園児数、保護者対応、行事運営、看護師なら病棟・診療科・担当患者数・委員会活動など、仕事の範囲が伝わる情報を入れてください。
3.自分の「役割」と「成果」を定量的に書く
職務経歴書では、会社全体の実績ではなく「自分が何を担当したか」を明確にしてください。
例えば「売上120%を達成」と書く場合、自分が担当した範囲、チーム人数、担当顧客数、実行した施策まで書くと、成果の再現性が伝わります。採用担当者が知りたいのは、結果そのものだけでなく、その結果を出すまでの動き方です。
箇条書きにする場合は、下記のように「役割」「行動」「結果」をセットで書くと伝わります。
・既存顧客50社を担当し、課題別に提案内容を見直した結果、更新率を前年比〇%改善
・3名の販売スタッフをまとめ、週次でKPIを確認し、店舗売上目標を〇カ月連続で達成
・問い合わせ対応の手順を整理し、月〇件の対応時間を平均〇分短縮
実績を盛る必要はありません。自分が担当した範囲と、その中で工夫したことを具体的に書けば、十分に判断材料になります。
4.面接での「ツッコミどころ」を用意しておく
職務経歴書は、面接で話す内容の土台にもなります。
そのため、すべてを文章で説明し切るより、面接で聞かれたときに話せる経験を残しておくのがおすすめです。「なぜその施策を選んだのか」「失敗した点は何か」「次に同じ仕事をするなら何を変えるか」まで答えられる内容を選んでください。
私がよく使うのは、冒頭で紹介した「STARS」の型です。Situation(状況)、Task(任務)、Action(行動)、Result(結果)、Self-Appraisal(振り返り)の順で整理すると、職務経歴書にも面接にも使いやすい形になります。
中でも、Self-Appraisal(振り返り)は差が出ます。結果だけでなく「その経験から何を学び、次の職場でどう活かすか」まで書けると、ただの実績紹介で終わりません。
職務経歴書で避けたい書き方
職務経歴書でタブーとされるのは、事実と異なる内容を書くこと、応募先と関係の薄い経験を長く書くこと、守秘義務に触れる情報を書くことです。
・実績や役職を盛って書く
・前職や現職の不満を書く
・社外秘の売上、顧客名、プロジェクト名をそのまま書く
・応募職種と関係の薄い経験を長く書く
・専門用語や社内用語を説明なしで使う
・履歴書と同じ内容をそのまま繰り返す
転職回数が多い方は、すべての退職理由を細かく書くより、職務経歴の一貫性が見えるようにまとめてください。経験社数が多い場合は、直近や応募先に近い経験を厚めにし、古い職歴は短く整理する方が読みやすくなります。
アルバイトやパートの経験も、応募先に関係する業務であれば職務経歴書に書いて問題ありません。雇用形態よりも、何を担当し、どんな成果や工夫があったかを見られます。
職種別に見せ方を変える
職務経歴書は、職種によって見せ方を変えてください。営業職なら売上・達成率・顧客数、事務職なら処理件数・改善内容・使用ツール、看護師なら診療科・担当患者数・急性期や慢性期などの経験、保育士なら担当年齢・クラス運営・保護者対応・行事運営などが判断材料になります。
同じ「コミュニケーション力」でも、営業なら商談や交渉、看護師なら患者や多職種連携、保育士なら保護者対応や園内連携というように、応募先の業務に合わせて表現を変えます。
職務経歴書を簡単に作りたい方ほど、最初に「応募先が求めていること」を1つ決めてください。その1つに関係する経験から順に書くと、余計な説明を足さずに済みます。
もっと具体的な見本を見たい方へ
ここまで、職務経歴書の基本的な書き方と考え方をお伝えしました。さらに具体的な書き方について、私の実際の職務経歴書をもとに解説したコンテンツも用意しています。
ーこの先は『転職で企業に刺さる“戦略的”職務経歴書の書き方(テンプレート付)(950円)』でご覧ください(書籍『転職と副業のかけ算』の中でも同じ内容を書いているので、そちらでも読むことができます)。
こちらは有料ですが、中身が全て記載された見本となる職務経歴書のテンプレートがダウンロードできます。実際に書き上げるときは、本記事で紹介した「求人要件との共通点」「市場価値」「役割と成果」「面接で聞かれる点」を意識して作成してみてください。
転職エージェントに「職務経歴書完璧ですね!」と言われました。初めての転職活動。職務経歴書を書くのも初めて。なぜ、完璧な職務経歴書を書けたか?
その秘密は、motoさん執筆の書籍「転職と副業のかけ算」とリンクのnoteを参考にしたから
宣伝みたいですが、以上です。https://t.co/owchZS9n20
— ほとほろ@エクスプロッシャー (@hotoholog) November 29, 2020
職務経歴書は、書類選考だけでなく面接の話し方にもつながります。求人要件を読み、自分の経験を選び、数字や役割で具体化してください。その上で「この人なら任せられそう」と思ってもらえる内容に整えていきましょう。
執筆者・監修者のmotoについて
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起業家・著述家(Wikipedia)。実名は戸塚俊介。広告・人材・IT業界など8社へ転職。副業でmoto株式会社を起業し、上場企業へM&A。現在はHIRED株式会社(有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-313037)代表取締役。著書:『転職と副業のかけ算』(扶桑社)、『WORK』(日経BP)

