【失敗しない】転職サイトを利用する上でのデメリットと注意点

転職サイト おすすめしない

転職を考えたときに、「転職サイトは使うべき?」「転職エージェントはやめた方がいい?」と迷う方は多いと思います。

転職サイトだけで進めるのはあまりおすすめしません。求人を自分のペースで探せる一方で、応募先の見極め、書類作成、面接日程の調整、年収交渉まで自分で対応する必要があるためです。

転職活動には、転職サイト、転職エージェント、ハローワーク、企業への直接応募、知人紹介など複数の方法があります。国内の有料職業紹介事業では、令和6年度の常用就職件数が888,993件と公表されており、転職エージェントを含む職業紹介サービスは多くの転職者に使われています(厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」)。

ただし、転職サイトや転職エージェントは無料で使える反面、向き不向きがあります。分かれ目は求人を探す力ではありません。応募前の判断と条件交渉を誰がやるか、です。

転職サイトと転職エージェントのどちらを使うか迷っている方は、どちらか一方に決める前に、自分の状況に合う使い方を確認してみてください。

転職サイトだけをおすすめしない理由

転職サイトだけをおすすめしない理由は、自分が知っている条件や企業の範囲で求人を選びやすいからです。

転職サイトには多くの求人が掲載されており、登録後すぐに求人検索や応募ができます。ただ、掲載件数が多いほど、求人票を読み比べる時間も増えます。職種名や年収、勤務地だけで選ぶと、仕事内容、評価制度、残業、配属先の雰囲気まで確認しきれないことがあります。

また、転職サイト経由の応募では、応募書類の作成、企業とのやり取り、面接日程の調整、内定後の条件確認まで自分で進めます。転職に慣れている方には合いますが、初めての転職や在職中で時間が限られる方には負担が大きくなりがちです。

「転職サイトはやめとけ」「転職エージェントは使うな」という声が目立つ理由は単純です。うまくいかなかった体験の方が、言葉になりやすい。希望と違う求人が届いた、連絡がしつこかった、担当者と話がずれたまま終わった。どれも具体的なので強く残ります。反対に、普通に内定が出て終わった人はわざわざ書きません。

掲示板や知恵袋の投稿は、担当者ひとりとのやり取りを書いたものが大半です。同じサービスでも担当者によって提案の質は変わるので、サービス全体の評価としてそのまま受け取ると実態から離れます。読むときに見たいのは2点。投稿者の職種、年齢、希望年収が自分と近いか。そして、いつの話か。数年前の投稿だと、担当体制も求人の中身も今とは違います。

私としては、転職サイトを使わない方がよいというより、「転職サイトだけ」に絞らない方がよいと考えます。求人を広く見るために転職サイトを使い、応募前の判断や条件交渉では転職エージェントも併用する形がおすすめです。

転職サイトと転職エージェントの違い

転職サイトと転職エージェントは、どちらも求人を探すためのサービスですが、進め方が大きく違います。

1.転職サイト

転職サイト

「転職サイト」とは、自分で求人を検索し、気になる求人に応募できる転職サービスです。doda、リクナビNEXT、ビズリーチなどが代表的です。看護師、薬剤師、ITエンジニアなど、職種に特化した転職サイトもあります。

転職サイトは、求人を自分で探したい方、すぐに応募する予定はないけれど市場感を見たい方に向いています。スカウト機能があるサービスでは、登録した職務経歴を見た企業やヘッドハンターから連絡が届くこともあります。

2.転職エージェント

転職エージェントは、担当者が求人紹介、書類添削、面接対策、日程調整、条件交渉などを支援する転職サービスです。リクルートエージェント、doda、JACリクルートメントなどが代表例です。

転職サイトに比べると、自分で自由に求人を選ぶ感覚は少し弱くなります。その代わり、担当者が求人の背景、企業が求める人物像、選考で見られやすい点を教えてくれるため、応募前の判断材料を増やせます。

下記の表に、転職サイトと転職エージェントの違いをまとめます。

  転職サイト 転職エージェント
求人の探し方 自分で検索して選ぶ 担当者から紹介を受ける
求人情報 公開求人を中心に確認できる 非公開求人を紹介されることがある
情報収集 求人票や企業ページを自分で確認する 担当者から企業情報や選考傾向を聞ける
転職相談 基本的には自分で進める キャリア相談を受けられる
書類選考対策 テンプレートや診断機能を使える場合がある 職務経歴書や履歴書の添削を依頼できる
面接対策 自分で準備する 企業別の面接対策を受けられる場合がある
日程調整 自分で企業とやり取りする 担当者が企業との調整を代行する
年収交渉 自分で企業に伝える 担当者に交渉を依頼できる
料金 無料 無料

表の「料金」がどちらも無料なのは、費用を企業側が負担しているからです。職業安定法では、有料職業紹介事業者が求職者から手数料を取ることを原則として禁じています。収入源は企業側です。転職サイトは掲載料、転職エージェントは採用が決まったときの成功報酬。だから利用者の財布からはお金が出ません。その代わり、サービスの収益は企業の採用が決まるかどうかで動きます。求人を勧める強さに差が出るのは、この構造が理由です。

求人を比べるなら転職サイトは便利です。ただ、応募後の通過率や条件交渉まで考えるなら、転職エージェントも併用した方が進めやすい場面があります。

転職サイトのデメリット

転職サイトのデメリットは、求人を見つけるところから内定後の条件確認まで、利用者自身が判断する場面が多いことです。

1.求人を選ぶ基準が自分の経験に寄りやすい

転職サイトでは、職種、勤務地、年収、働き方などの条件で求人を検索できます。ただし、検索条件を自分で決めるため、過去に経験した職種や知っている企業ばかり見てしまうことがあります。

例えば、営業職の経験がある方が営業職だけで探すと、企画職、カスタマーサクセス、事業開発など、経験を活かせる別の選択肢を見落とすことがあります。転職サイトを使う場合は、職種名だけでなく、仕事内容や必要なスキルまで広げて確認してください。

2.求人票だけでは分からない情報がある

求人票には、仕事内容、給与、勤務地、休日などの基本情報が載っています。ただし、配属先の雰囲気、上司のタイプ、評価のされ方、実際の残業時間などは求人票だけでは読み取りにくいです。

気になる求人がある場合は、口コミサイト、企業の採用ページ、面接時の質問で補う必要があります。転職エージェント経由なら、担当者に「この求人が出ている背景」「どんな人が通過しているか」「入社後にギャップが出やすい点」を確認してください。

年収の書き方も要注意です。「年収400万円~600万円」と書いてあっても、下限に固定残業代が含まれていたり、上限が一部の社員だけが到達しているモデル年収だったりします。求人票で見るのは5つ。月給の内訳、固定残業代の有無とみなし時間、賞与の実績、想定残業時間、そして募集の背景(増員なのか欠員補充なのか)です。

入社後に「合わない」と感じる原因は、業界そのものより、その会社の働き方と評価のされ方にあります。同じ職種の募集が長く出続けている会社なら、なぜ人が抜けたのかまで聞いてから応募を決めてください。面接で使える質問はこれです。「直前にこのポジションを担当していた方は、どんな理由で異動や退職をされたのですか」。答えの具体さで、定着のしやすさが見えてきます。

3.応募時に機械的に見送られることがある

転職サイトから応募すると、企業側の応募条件に合わない場合、書類を細かく読まれる前に見送りになることがあります。年齢、経験年数、転職回数、特定職種の経験などで判断されるケースです。

もちろん、転職サイトからの応募がすべて不利というわけではありません。ただ、経歴を補足して伝えたい方や、求人票の条件に少し届かない方は、転職エージェント経由で推薦文を添えてもらえるか確認してみてください。

4.年収交渉や入社日調整を自分で行う必要がある

転職サイト経由では、年収交渉や入社日の調整も自分で企業に伝えます。希望年収をどのタイミングで伝えるか、現職の退職日と入社日をどう調整するかで迷う方も多いです。

特に在職中の方は、面接日程、退職交渉、有給消化、入社日調整が重なると負担が増えます。年収や入社時期を自分で交渉するのが不安な方は、転職エージェントを使った方が進めやすいです。

転職エージェントを使わずに年収交渉をするなら、順番が肝心です。一次面接の段階では金額を固めません。「現年収は◯◯万円です。経験を踏まえてご相談させてください」と幅で伝えておく。金額を確定させるのは、内定が出て条件通知書を受け取ったタイミングです。早い段階で自分から低い数字を出すと、その額が基準になります。

用意する材料は3つ。現年収の内訳(基本給、賞与、固定残業代、手当)、同じ職種と規模の求人が出している年収レンジ、入社後に自分が担当できる業務です。求人票のレンジを根拠に「上限に近い金額をお願いしたい理由」を職務経歴書の実績とひもづけて話せると、金額の話が主観になりません。それでも動かない会社はあります。年収だけで押さないでください。入社日、勤務地、リモートワークの頻度も交渉の対象です。

転職サイトのメリット

転職サイトにはデメリットもありますが、自分で求人を探したい方にとっては便利な方法です。強みは、求人を比べる自由度と、自分のペースで進められることです。

1.求人を自分で探していつでも応募できる

転職サイトでは、希望する職種、勤務地、年収、働き方などをもとに求人を検索できます。気になる求人があれば、登録した履歴書や職務経歴書を使って応募できます。

求人を一覧で比べられるため、同じ職種でも会社によって求める経験や給与レンジが違うことが分かります。転職を急いでいない方でも、市場感を知る目的で使えます。

2.自分のペースで転職活動ができる

転職サイトは、求人検索から応募まで自分のペースで進められます。担当者から応募を急かされることがないため、「良い求人があれば転職したい」という方にも合います。

現職が忙しい方は、まず転職サイトに登録し、週に1回だけ求人を確認する使い方でも構いません。求人を見ているうちに、自分が譲れない条件と変えてもよい条件が分かってきます。

3.スカウトで想定外の求人に出会えることがある

大手転職サイトでは、登録した職務経歴を見た企業や転職エージェントからスカウトが届くことがあります。自分では検索しなかった業界や職種から声がかかる場合もあります。

ただし、スカウトのすべてが自分に合う求人とは限りません。テンプレートのような文面、希望条件とずれた求人、応募を急がせる連絡は慎重に見てください。返信する前に、仕事内容と採用背景を確認しましょう。

4.転職サイトに登録すると会社にばれる?

転職サイトに登録しただけで、すぐ会社に知られるケースは多くありません。主要サービスでは、企業ブロックや非公開設定を使えることがあります。

例えば、dodaでは企業ブロック設定、マイナビ転職では非公開企業設定を使って、特定の企業にWeb履歴書を見せない設定ができます。ただし、勤務先だけでなく、親会社、子会社、取引先、関連会社も必要に応じて設定してください。

スカウト機能を使う場合は、公開される職務経歴の内容も確認しておきましょう。会社名を伏せても、部署名、担当商材、実績の書き方で個人が推測されることがあります。

登録後の連絡量が気になるなら、最初に通知設定を開いてください。求人メールやスカウトメールは配信頻度を選べるサービスが多く、連絡方法を「メールのみ」に寄せられる場合もあります。転職エージェント側の登録では、面談前に電話が入る前提です。連絡が取れる時間帯を先に伝えておけば、日中に着信が続くことはありません。

やめたいときは、退会もマイページから手続きできます。ただし多くのサービスでは、退会すると登録した職務経歴や応募履歴も消えます。応募中の選考があるなら、結果が出てからにしてください。

転職サイトが向いていない人・向いている人

転職サイトは、自由に求人を探せる反面、判断や交渉を自分で進める必要があります。分かれ目は、書類作成と面接準備と条件交渉を自分で回せるかどうかです。

1.転職サイトが向いていない人

初めての転職で進め方に迷っている方、職務経歴書に自信がない方、面接対策を受けたい方、年収交渉を自分で行うのが苦手な方は、転職サイトだけだと負担が重くなります。

また、現職が忙しく、求人選定や日程調整に時間を取れない方も転職エージェントを併用してください。担当者に希望条件を伝えておくことで、求人の確認や企業との調整を任せられる場面が増えます。

2.転職サイトが向いている人

応募したい業界や職種がある程度決まっていて、自分で求人を見比べたい方には転職サイトが合います。求人を広く見たい方、すぐに応募せず情報収集から始めたい方にも使いやすい方法です。

すでに転職経験があり、職務経歴書や面接準備を自分で進められる方は、転職サイトだけでも内定を狙えます。志望先が明確な方は、企業の採用ページからの直接応募も候補に入れてください。

転職するかどうか自体を決めていない段階でも、転職サイトは使えます。求人を見ないまま「今の職場が嫌だから」で動くと、次の職場でも同じ不満が出ます。給与、労働時間、仕事内容、人間関係。このうち何が変われば働き続けられるのか。求人と見比べて言葉にできるまでは、応募せず眺めるだけでも構いません。

3.転職サイトは何を基準に選ぶか

「一番いい転職サイト」は、職種と年収帯で変わります。求人数が最も多いサービスが、自分にとって最良とは限りません。私が見るのは3点。自分の職種の求人が実際に何件出ているか、希望勤務地の求人が載っているか、想定年収帯が合っているか、です。

登録前に、狙っている職種名と勤務地で求人検索をかけてみてください。検索結果が数十件しか出ないなら、その職種に強いサービスは別にあります。20代で経験が浅い方は若手向け求人が多い総合型。年収800万円以上を狙う方はハイクラス向け。看護、薬剤、ITなど専門性がはっきりしている方は特化型が候補です。

登録数は2~3社が目安です。同じ職種でもサービスによって載っている企業が違うため、1社だけだと求人の全体像が見えません。反対に5社以上へ広げると、届くメールの量に対して確認が追いつかなくなります。

転職エージェントのデメリット

転職エージェントの満足度は、サービス名よりも担当者で決まります。求人紹介の理由が弱い。希望と違う求人ばかり届く。転職を急がせると感じる。こうした状態が続くなら、担当変更か別サービスの利用を検討してください。

こうしたデメリットが気になる方は『転職エージェントは使わない方がいい?』も合わせて読んでみてください。

1.内定が出やすい求人を紹介されることがある

担当者によっては、求職者の希望よりも書類選考に通りやすい求人や、早く内定が出そうな求人を優先することがあります。

例えば、営業経験4年の方に対して、経験を広げられる求人ではなく、同じ営業職の近い条件の求人だけを紹介するケースです。もちろん、経験を活かせる求人が悪いわけではありません。ただ、紹介理由が「通りやすいから」だけなら、応募前に一度立ち止まってください。

良い担当者は、求人を紹介するときに「なぜこの求人を出したのか」「どの経験が評価されそうか」「入社後にどんなキャリアにつながるか」を説明してくれます。

2.経験の浅い担当者がつく場合がある

転職エージェントでは、経験の浅い担当者がつくこともあります。業界知識が足りない担当者だと、希望と違う求人を紹介されたり、応募先の情報を十分に答えられなかったりします。

担当者に不安がある場合は、遠慮せずに質問してください。「この求人で評価される経験は何ですか」「過去にどんな人が通過していますか」「懸念点はありますか」と聞くと、担当者の理解度が分かります。

回答が曖昧な状態が続くなら、担当変更を申し出るか、別の転職エージェントにも相談しましょう。

3.マッチ度を無視した求人を勧められることがある

転職エージェントは、企業から成功報酬を受け取る仕組みで運営されています。そのため、担当者によっては、年収が高い求人や決まりやすい求人を強く勧めてくることがあります。

内定が複数出たときも、担当者の意見だけで決めないでください。年収、仕事内容、働き方、評価制度、上司との相性、次の転職で説明しやすい経験が積めるかを自分で確認しましょう。

担当者の意見は参考になります。ただし、最後に働くのは自分です。迷ったときは、内定承諾前に条件通知書と業務内容を見直してください。

転職後の後悔として語られやすいのは、求人票と条件通知書の差を確認しないまま承諾したケースです。年収は上がったが残業が倍になった。聞いていた業務と実際の配属が違った。承諾前に、条件通知書の年収の内訳、配属部署、業務範囲、入社日を書面で確認してください。口頭の説明だけで進めると、あとから確かめる材料が残りません。

4.紹介が止まる・連絡が返ってこないことがある

転職エージェントは成功報酬で運営されているため、紹介できる求人がない相手には連絡の優先度が下がります。面談後に音沙汰がない、応募した後の進捗連絡が来ない。こういう状況は起こります。

紹介が止まりやすいのは、希望条件が求人の実勢と離れているとき、経験が求人の必須条件に届いていないとき、転職希望時期を「未定」と伝えたときです。待つ必要はありません。連絡がない期間が2週間を超えたら、こちらから「今の条件で紹介できる求人はあるか」「どこを緩めれば候補が出るか」を聞いてください。紹介できる求人がないという回答なら、別の転職エージェントか転職サイトに切り替えた方が早く進みます。

転職エージェントのメリット

転職エージェントのメリットは、求人紹介だけではありません。応募前の整理、選考対策、企業との調整まで任せられる点にあります。

1.非公開求人を紹介してもらえる

転職エージェントは、転職サイトや企業の採用ページには出ていない非公開求人を扱っていることがあります。

非公開求人には、重要ポジション、急募求人、応募が集中しやすい求人、競合に知られたくない採用などが含まれます。すべての非公開求人が良い求人とは限りませんが、公開求人だけでは見つからない選択肢を確認できる点はメリットです。

2.履歴書・職務経歴書の添削、面接対策を受けられる

転職エージェントでは、応募先に合わせて履歴書や職務経歴書の添削を依頼できます。自分では伝わると思っていた実績でも、採用担当者から見ると強みが分かりにくいことがあります。

担当者には、求人票のどこを見て書類を直すべきかを確認してください。面接対策では、過去に聞かれやすい質問、評価されやすい経験、懸念されやすい点を聞いておくと準備しやすくなります。

3.企業の人事に推薦してもらえる

転職エージェント経由で応募すると、担当者が推薦文を添えて企業に応募してくれることがあります。

推薦文では、職務経歴書だけでは伝わりにくい強み、転職理由、応募先で活かせる経験を補足してもらえます。求人票の条件に少し届かない場合でも、経験の近さや伸びしろを伝えてもらえる可能性があります。

ただし、推薦文の質は担当者によって違います。応募前に「どの経験を推して応募しますか」と聞いておくと、認識のずれを防げます。

4.年収交渉・入社調整などを依頼できる

転職エージェントは、内定後の年収交渉や入社日の調整も企業と行ってくれます。

自分から年収を切り出しにくい方や、現職の退職時期との調整に不安がある方には助かる部分です。希望年収を伝えるときは、現年収、希望年収、最低ライン、転職で重視する条件を担当者に共有してください。

年収だけで決めると、仕事内容や働き方とのズレが出ることもあります。条件交渉では、年収、残業、勤務地、リモートワーク、入社日をまとめて確認しましょう。

転職エージェントを利用しない方がいい人

転職エージェントは便利ですが、すべての人に合うわけではありません。自分で求人を探して、自分のペースで応募したい方には、転職サイトや企業への直接応募の方が合う場合があります。

応募したい企業が決まっている方、採用ページから直接応募したい方、担当者を挟まずに企業とやり取りしたい方は、無理に転職エージェントを使う必要はありません。

転職エージェントを使わないメリットは、速さと透明さです。面談の予約や担当者への連絡が要らないので、応募したいと思った日に応募できます。企業とのやり取りも直接。面接の感触や質問への回答が、人を挟まずに返ってきます。応募先を自分で決められるため、紹介の意図を考える手間もありません。

転職者の応募経路は、転職エージェント以外にも転職サイト、ハローワーク、企業への直接応募、知人紹介があります。全員がエージェントを通しているわけではありません。使わない選択そのものが不利になることもありません。分かれ目は、書類の作り込みと条件交渉を自分でやり切れるかどうかです。

一方で、初めて転職する方、働きながら進める方、職務経歴書に不安がある方、年収交渉を任せたい方は、転職エージェントも検討してください。

エージェントなしなら直接応募も組み合わせる

エージェントなしでも転職はできます。企業の採用ページ、転職サイト、ハローワークを使えば、自分で応募先を探せます。

志望先が明確な方は、企業の採用ページから直接応募するのも選択肢です。応募前に、募集職種、仕事内容、必須条件、選考フロー、問い合わせ先を確認してください。

ハローワークと転職サイトでは、載っている求人の層が違います。ハローワークに集まりやすいのは、地元の中小企業や、求人広告費をかけずに採用したい会社の募集です。窓口で職業相談や職業訓練の案内も受けられます。転職サイトは条件で絞って比べやすく、仕事内容や給与レンジの記載が詳しい求人が多いです。勤務地を今の生活圏から動かしたくない方はハローワークを併用。職種や年収帯を変えたい方は転職サイトから見た方が候補が集まります。

同じ企業へ、転職エージェント経由と直接応募を同時に出すのは避けてください。企業側では応募の重複として扱われ、どちらの経路で選考するかの確認で選考が止まります。優先されるのは、多くの場合、先に届いた応募です。エージェントから打診してもらった企業に自分でも応募したいときは、先に担当者へ「この企業は自分で応募したい」と伝えてください。経路は1本に絞ります。

ただし、書類添削や年収交渉は自分で行います。在職中で忙しい方は、応募先を広げすぎると対応が追いつかなくなります。まずは3~5社ほどに絞り、求人票と企業ページを見比べてください。

合わないと感じたときの断り方と退会

途中でやめても問題ありません。転職エージェントの利用は契約ではないので、理由を細かく説明する義務もなく、費用も発生しません。求人を断るときの文面はこれで足ります。「今回は応募を見送ります。勤務地が条件に合わないためです」。理由を1つ添えておくと、次の紹介の精度が上がります。

担当者を変えたいときは、問い合わせ窓口かマイページから「担当変更を希望します」と連絡します。担当者本人に言いにくい場合も、窓口経由で伝えられます。特定のサービスを使うのをやめるなら、退会フォームか担当者へのメールで「転職活動を終了するため退会します」と伝えれば手続きが進みます。順番だけ注意してください。選考が進んでいる企業があるときは、辞退の連絡を先に済ませます。

担当者の態度が気になって連絡しづらいときの対処は「転職エージェントがむかつく場合の対処法」でまとめています。

転職エージェントの利用の流れ

気になる求人があるときは、転職サイトだけで応募する前に、転職エージェントでも同じ求人を扱っているか確認してみてください。

転職エージェントの登録から内定までの流れは大きく5つです。

【転職エージェントの登録の流れ】
1. 転職エージェントに登録する
2. 面談・カウンセリングを受ける
3. 希望する求人の紹介を受ける
4. 書類添削・面接対策
5. 企業との面接・内定

1.転職エージェントに登録する

まずは、気になる転職エージェントに登録します。登録後、面談案内のメールや電話が届くことが多いので、担当者との面談日程を調整してください。

登録時には、希望職種、希望勤務地、現年収、転職希望時期、職務経歴などを入力します。まだ転職するか決めていない方も、「良い求人があれば検討したい」と伝えれば問題ありません。

すぐに転職しない前提でも登録はできます。ただ、希望時期を「未定」のままにすると紹介の優先度は下がります。「3カ月以内に決めたい」「良い求人があれば半年以内」のように幅で伝えておいてください。結果として転職を見送る場合も、メールで一言「今回は転職を見送ります」と入れれば終わります。違約金のような費用はかかりません。

2.面談・カウンセリングを受ける

転職エージェントとの面談は、オンライン、電話、対面で行われます。

面談では、「なぜ転職を考えているのか」「どんな求人を見たいか」「次の職場で何を変えたいか」を聞かれます。ここで希望を曖昧に伝えると、紹介される求人もずれやすくなります。

年収、働き方、勤務地、仕事内容、避けたい条件を整理してから面談に臨んでください。面談時間は1時間前後が目安です。

3.希望する求人の紹介を受ける

面談後、担当者から求人が紹介されます。気になる求人があれば、仕事内容、採用背景、選考で見られる点を確認してから応募しましょう。

希望と違う求人が届く場合は、断って構いません。「年収は合うが仕事内容が違う」「勤務地が合わない」「この業界は避けたい」など、理由を具体的に伝えると次の紹介精度が上がります。

それでも合わない求人が続く場合は、担当変更や別の転職エージェントへの相談を検討してください。

4.書類添削・面接対策

応募する求人が決まったら、職務経歴書や履歴書の添削を依頼してください。職務経歴書は、求人ごとに見せる実績や強みを変えた方が通過につながることがあります。

面接対策では、過去に聞かれた質問、評価されやすい経験、企業が懸念しやすい点を担当者に確認しましょう。特に転職理由、退職理由、志望動機、入社後にできることは、事前に言葉にしておく必要があります。

面接でどんなことを話せばいいかについては「【対策必須】転職で面接対策しないと難しい質問と回答を転職の専門家が徹底解説」を合わせて読んでみてください。

5.企業との面接・内定

書類選考を通過すると、企業との面接に進みます。面接日程の調整は、転職エージェントが企業と行ってくれることが多いです。

面接後は、担当者に感触を共有してください。「伝えきれなかったこと」「補足したい実績」「不安に感じた点」があれば、担当者から企業へ補足してもらえる場合があります。

内定が出たら、条件通知書を確認します。年収、賞与、残業代、勤務地、業務内容、入社日を見た上で、必要があれば担当者に交渉を依頼してください。

内定の返答期限は1週間前後で提示されることが多いです。他社の選考結果を待ちたいときは、先に「◯月◯日までに回答したい」と希望日を伝えてください。理由と日付をセットで出せば、待ってもらえる場合があります。期限を過ぎてから相談するのは避けます。ただし無期限には延ばせないので、選考中の企業には面接日程を前に詰めてもらう相談も同時に進めましょう。

失敗しない転職エージェントの選び方

転職エージェントを選ぶときは、サービス名だけで判断しないでください。大手かどうかより、自分の職種、年齢、希望年収、勤務地に合う求人を持っているかが大切です。

1.自分の職種や年齢層に合うサービスを選ぶ

転職エージェントには、総合型と特化型があります。総合型は幅広い求人を見たい方に向いており、特化型はIT、看護、薬剤師、管理部門、ハイクラスなど、特定領域で探したい方に合います。

20代なら若手向けの求人が多いサービス、年収800万円以上を狙うならハイクラス向け、地方転職なら対応地域の求人が多いサービスを選んでください。

2.複数登録して担当者を比較する

転職エージェントは、同じサービスでも担当者によって提案の質が変わります。1社だけで判断せず、2~3社ほど登録して比較するのがおすすめです。

比較するときは、求人数だけでなく、求人紹介の理由、連絡の早さ、書類添削の具体性、面接対策の内容を見てください。最初の面談で違和感がある担当者に、無理に任せる必要はありません。

3.信頼できる担当者を選ぶ

信頼できる担当者は、求人を出す理由を具体的に説明してくれます。希望条件に合わない求人を出す場合でも、「なぜ候補に入れたのか」を話してくれる担当者なら相談しやすいです。

  • 連絡が早い
  • 求人紹介の理由を説明してくれる
  • 職務経歴書や面接対策の指摘が具体的
  • 応募を急がせすぎない
  • 不利な情報や懸念点も伝えてくれる

反対に、求人を大量に送るだけ、質問に答えられない、転職を急がせる担当者には注意してください。

評判の悪い転職サイト・エージェントの見極め方

転職サイトや転職エージェントの評判を見るときは、口コミの点数だけで判断しないでください。自分の職種や年齢、希望条件に近い人の口コミかを確認する必要があります。

1.求人紹介の理由が説明されない

転職相談をしても、希望条件を聞かずに求人だけ送ってくる担当者には注意してください。求人票をそのまま送るだけでは、利用者が応募すべきか判断できません。

「この求人はどの経験が評価されそうですか」「入社後にどんな業務を任されますか」と聞き、具体的な回答が返ってくるか確認しましょう。

2.大量の求人を送ってくる

大量の求人を送るだけの担当者も注意が必要です。求人の数が多くても、希望条件や経験とずれていれば、確認する時間だけが増えてしまいます。

紹介求人が多すぎる場合は、「応募したい順に3件だけ理由付きで送ってください」と伝えてください。それでも改善しない場合は、別の担当者に変えてもらいましょう。

3.転職を急がせる

「早く応募した方がいい」「今決めないともったいない」といった連絡が続く場合は、少し距離を置いてください。求人には締切がありますが、急いで決める理由が説明されないまま応募する必要はありません。

内定承諾を急かされた場合は、条件通知書、仕事内容、入社日、辞退期限を確認してください。判断材料がそろっていない状態で承諾しないようにしましょう。

4.企業の質問に答えられない

担当者が企業の情報を把握していない場合、求人票以上の情報を得にくくなります。面接前には、配属先、採用背景、選考で見られる点、過去の通過者の傾向を聞いてください。

答えられないこと自体が悪いわけではありません。ただ、確認して返答してくれない担当者なら、応募先の判断材料を十分に得られない可能性があります。

5.スカウト文面が曖昧

転職サイトのスカウトでは、誰にでも送っているような文面が届くことがあります。職務経歴のどこを見たのか、どの求人のどの点が合うのかが書かれていない場合は、慎重に見てください。

返信する前に、求人名、仕事内容、勤務地、想定年収、選考フローを確認しましょう。条件が合わなければ、無理に面談へ進む必要はありません。

6.許可を受けた事業者かどうかを確認する

求人紹介を事業として行うには、職業安定法にもとづく厚生労働大臣の許可が必要です。許可番号は「13-ユ-300000」のような形式で、2桁の数字と記号と6桁の数字で表されます。事業者はこれをサイト上に表示しています。厚生労働省の人材サービス総合サイトでは、許可番号や事業所名から許可・届出済みの事業者を検索できます。

許可の表示がないサイトから求人紹介を受けている場合や、面談前に登録料や研修費を求められた場合は、そこで手続きを止めてください。有料職業紹介では、求職者から手数料を取ることが原則として禁じられています。利用者がお金を払う話が出てくる時点で、転職エージェントの仕組みから外れています。

もう1つ見ておきたいのは、求人票と実際の条件がそろっているかです。面接で聞いた年収や勤務地が求人票と違っていたら、条件通知書が出るまで承諾しないでください。求人票、面接での説明、条件通知書。この3つが一致していれば、入社後のずれは小さくなります。

おすすめの転職エージェント

転職サイトだけで進めるのが不安な方は、転職エージェントも使ってみてください。求人の幅が広く、書類添削や面接対策まで受けられるサービスを5つ挙げます。また、転職サイト記事も合わせてご覧ください。

1:doda転職エージェント

doda

口コミ:doda 評判を確認

おすすめ度:★★★★★
公開求人数:30万件以上(2026年8月3日現在)
【公式サイト】https://doda.jp/

おすすめ転職エージェントの一番手は『doda転職エージェント』です。

doda転職エージェントは、幅広い業界の求人を扱う大手転職エージェントです。公式サイトでは、20万件以上の求人から紹介すると案内されています。

キャリアアドバイザーによる求人紹介のほか、応募書類の添削、面接対策、企業とのやり取りの代行、年収交渉も受けられます。自分でも求人検索をしながら、必要な場面でエージェントの支援を受けたい方に向いています。

初めての転職や、求人を広く見たい方は登録候補に入れてみてください。

出典:公式サイト

2:リクルートエージェント

リクルートエージェント

口コミ:リクルートエージェント 評判を確認

おすすめ度:★★★★★
公開求人数:750,000(2026年8月3日現在)
求人数増減:±0(先週比→keep)
【公式サイト】https://www.r-agent.com/

次におすすめする転職エージェントは『リクルートエージェント』です。

リクルートエージェントは、公開求人と非公開求人を多く扱う大手転職エージェントです。公式サイトでは、2026年6月29日時点で公開求人約75万件、非公開求人約27万件と案内されています。

各業界に精通したキャリアアドバイザーが求人を紹介し、書類添削や面接対策、年収交渉、入社日調整まで支援してくれます。求人の選択肢を広げたい方は、dodaと合わせて確認しておきたいサービスです。

dodaとリクルートエージェントで迷うなら、両方に登録して求人の出方を見比べるのが早いです。dodaは同じアカウントで求人検索とエージェントの紹介を併用できます。自分で探しながら相談したい方はこちら。リクルートエージェントは扱う求人の量が多いので、職種や勤務地の候補を広く出したい方に向いています。

リクルートエージェントの評判については「【評判】リクルートエージェントはひどい?公表データと規約で口コミを検証」でご紹介しています。

出典:公式サイト

3:パソナキャリア

パソナキャリア

口コミ:パソナキャリア 評判を確認

おすすめ度:★★★★・
公開求人数:52,718(2026年8月3日現在)
求人数増減:+125(先週比↑up)
【公式サイト】https://www.pasonacareer.jp/

おすすめ転職エージェントの3つ目は『パソナキャリア』です。

パソナキャリアは、ハイクラス転職に強い転職エージェントです。公式サイトでは、取引先企業30,000社以上、求人の約半数が年収800万円以上と案内されています。

求人企業担当と求職者専任のコンサルタントが連携しているため、企業理解と個別サポートの両面から求人を提案してもらえます。年収帯を上げたい方や、管理部門・専門職・ハイクラス求人を見たい方は候補に入れてみてください。

出典:公式サイト

4:マイナビ転職エージェント

マイナビ転職エージェント

口コミ:マイナビ転職エージェント 評判を確認

おすすめ度:★★★★★
【公式サイト】https://mynavi-agent.jp/

4つ目におすすめする転職エージェントは『マイナビ転職エージェント』です。

マイナビ転職エージェントは、はじめて転職する方や20代・30代の転職を検討する方が相談しやすい転職エージェントです。公式サイトでも、求人紹介から内定まで支援すると案内されています。

応募書類や面接対策、選考の日程調整までサポートを受けられるため、自力で転職活動を進めるのが不安な方に向いています。キャリアの方向性がまだ定まっていない方も相談してみてください。

※マイナビのプロモーションを含みます
出典:公式サイト

5:type転職エージェント

type転職エージェント

口コミ:type転職エージェント 評判を確認

おすすめ度:★★★★・
公開求人数:11,346(2026年8月3日現在)
求人数増減:-45(先週比↓down)
【公式サイト】https://type.career-agent.jp/

おすすめ転職エージェントの5つ目は『type転職エージェント』です。

type転職エージェントは、一都三県、ITエンジニア、営業職、ハイキャリアの求人に強い転職エージェントです。公式サイトでは、求人総数や非公開求人数も案内されています。

東京・神奈川・埼玉・千葉で転職したい方、IT・営業・管理部門など都市部の求人を見たい方は登録候補に入れてみてください。

出典:公式サイト

まとめ

転職サイトは、求人を自分で探したい方には便利です。ただし、転職サイトだけで進めると、求人の見極め、書類作成、面接対策、年収交渉まで自分で対応する必要があります。

初めて転職する方、在職中で時間がない方、職務経歴書や面接に不安がある方、年収交渉を任せたい方は、転職エージェントも併用してください。

一方で、応募したい企業が決まっている方や、自分で企業と直接やり取りしたい方は、転職サイトや企業の採用ページから応募する方法もあります。

失敗を避ける分かれ目は、サービスの選び方ではありません。応募前と内定後に何を確認したかです。応募前は、求人票の月給の内訳と固定残業代、そして募集の背景。内定後は、条件通知書の年収の内訳、配属部署、業務範囲、入社日。この2カ所を押さえておけば、経路が転職サイトでもエージェントでも大きく外れません。

大切なのは、転職サイトか転職エージェントかを二択で考えないことです。求人を広く見るなら転職サイト、応募前の判断や条件交渉を補うなら転職エージェントというように、役割を分けて使ってみてください。

執筆者・監修者のmotoについて

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起業家・著述家(Wikipedia)。実名は戸塚俊介。広告・人材・IT業界など8社へ転職。副業でmoto株式会社を起業し、上場企業へM&A。現在はHIRED株式会社(有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-313037)代表取締役。著書:『転職と副業のかけ算』(扶桑社)、『WORK』(日経BP)

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